黒のウェディングドレスはアリなのか?

色のおはなし 2024.02.07配信

2023年から続くカラードレスのトレンド「ブラック」

2024年2月6日付の読売新聞で『結婚式に黒のドレス』という記事を発見しました。ほぼ四半世紀に渡り婚礼事業に携わっている身としては見逃せない内容です。思わず二度見しました。読み進めますと、

 

1万点以上のドレスを紹介している結婚式総合情報サイト「みんなのウェディング」では、23年1~11月の閲覧数で黒のドレスが1、2位になった。同サイトは、23年のウェディングドレスのトレンドカラーを「黒」と発表した。

 

とあるではないですか。早速「みんなのウェディング」をチェック。本日2月7日現在のドレスランキングでもブラックドレスは上位、2024年も人気継続中の模様です。なんと……そんなことになっていましたか。

結婚式に黒のドレスはアリ?それともタブー?

気になるのはここですよね。早速調べてみました。結論から言いますと、アリ、です。

 

とはいえタブーなイメージがあるのも確か。手始めにその点を検証してみましょう。まず、黒からイメージされるワードをピックアップしてみます。

 

「葬儀」「喪服」「闇」「恐怖」「フォーマル」「都会的」「おしゃれ」「クール」「高級」「威圧的」など

 

悲しいイメージとかっこいいイメージが同居しています。黒から悲しい方面を想起される方にとっては、黒のウェディングドレスは抵抗感があるでしょう。ただ最近は、過去の慣習に囚われず、黒をかっこいいと捉えて選ぶ花嫁が増えた、ということのようです。

 

ここで注意したいのが、色から受ける印象は人によって異るという点。黒のウェディングドレスは列席者の顔ぶれを見ながら検討するのが賢明と言えるでしょう。

 

そもそも和の婚礼衣装には、打掛のように裾を引いた黒地の振袖「黒引き振袖」があります。昭和30年代頃までの最も一般的な花嫁衣裳でしたが、今でもそのレトロな雰囲気に惹かれる花嫁はいらっしゃいます。

 

 

過去に遡れば、日本では必ずしも「喪=黒」ではなく、喪服として白をまとっていた歴史があることも頭の片隅に入れておきましょう。喪服が白から黒に変わったのは明治維新以降とされており、その当時黒を喪の色としていた西洋にならったと言われています。

ウェディングドレスの歴史を紐解いてみます

ウェディングドレスの色について、もう少し深掘りしてみましょう。

 

本件に関して調べていると、<黒のドレスにはあなた色以外には染まりませんという意味がある>、<スペインでは1910年代までは黒いドレスで結婚を行うのが一般的であったのでブラックドレスはアリ>、というな結論にいくつか辿り着きました。

 

うーん、もう少し確かな情報が欲しいなぁと彷徨っていたところ、ありました、ドンピシャなゼクシィ記事が。我が国でウェディングドレスといえば桂由美先生。桂由美先生監修ということで、今回はこちらを正解とし、その一部をご紹介いたします。
▶参照:ウエディングドレスの歴史~純白やベールの由来とは【桂由美さん監修】

 

ウエディングドレスの起源は、遠くエジプトやギリシャの時代までさかのぼります。当時から花嫁衣裳には清楚な色が好まれていたようで白がほとんどでした。ローマ時代に入りキリスト教が普及するにつれて、教会で結婚式が行われるようになり、そこで王族や貴族の花嫁が着た婚礼用の衣裳がウエディングドレスの始まりといわれています。また、中世では喪服が白だったため、ウエディングドレスは白のほかに赤や緑などの色鮮やかなドレスが用いられるようになり、金や銀の刺しゅうを施したゴージャスなものでした。

なぜ、豪華なウエディングドレスが必要だったのか。それは、当時の婚礼衣裳の役割は、花嫁の実家の地位や財産を示すものだったため、見た目がわかりやすく華やかであることが重要とされていました。やがて、16世紀末には黒や暗い色のウエディングドレスが、1900年頃には黒のウエディングドレスに白いベールといったスタイルなど、白だけでなくさまざまな色のものが着られるようになりました。

再びウエディングドレスに白を使いだしたのは、スコットランド女王メアリー・スチュアート(1542~87)とフランソワ二世との大婚の時だといわれています。19世紀後半に入るともうウエディングドレスに白以外のものを使うことはほとんどなくなりました。

 

中世の世界において、白いドレスはとても貴重なものとされました。というのも、白い布の生産が一般的でなかったこと、またウエディングドレスは汚れたら洗濯をしなければならず、白を維持することはとても大変な作業でした。現在では、ウエディングドレスは結婚式や写真撮影のときのみ着用しますが、当時は一生の間に何度か着用することもあったそう。そこから、ヨーロッパとアメリカの中流階級にまで白いウエディングドレスが広まるまでには、さらに数十年かかったそうです。

白いウエディングドレスが一般に普及することになったきっかけは、1840年のヴィクトリア女王の婚礼衣裳が純白だったことからとわれています。しかしもう一つの理由として、それまで高価であった純白の生地の生産が普及し手頃な価格で手に入るようになったこともあり、庶民にとって憧れであった白いウエディングドレスの人気は、ヨーロッパ中に一気に広がりました。

 

日本の喪服がかつて白だった理由にも、亡くなった方と同じ色の着物を着る、未亡人の再婚しないという決意、などと合わせて、実は白い布を染めるのが大変だったという点があげられていました。「ウェディングドレスは白」となったのには、生地の流通やクリーニングの技術向上など、オシャレ視点以前に当時の世相が大いに影響していたことが見て取れます。

黒のウェディングドレスは誰にでも似合うのか?

結婚式に黒のウェディングドレスはアリとの結論が出たところで、最後に、黒のウェディングドレスは誰にでも似合うのか問題をもって本件を締めたいと思います。

 

お好きな色を着てください!と申し上げたいところですが、黒はですね、できればブルべのウィンターさんに着ていただきたいのです。お似合いになる色を着てほしいと願ってしまうのがカラーコンサルタントの性。黒のウェディングドレスは、その色を最も得意とするウィンターさん一択で、おすすめしたいと思います。

 

後日あらためて、黒ドレス以外のトレンドカラーもチェックしていきます。シンシアカラーズでは、結婚式場やドレスショップでのパーソナルカラー診断も承っております。お気軽にお問い合わせください。

 

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